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一本まともに書こうとしたけど、とりあえず書きたい部分を書く事の方が重要だったのでモノローグおんりー。
神君に捧ぐ。
溢れてやまないシンパシーと、君に幸せであって欲しいという願いと一緒に。
頭を撫でるその人と、目を合わせるのが怖かった。
「ばからはいい子だね」
…うん。
それはそうだろう、と今は思う。
良い子であるように物凄く頑張った。
だからぼくをあいしてください。ありったけそう込めて。
そうして、
時々皿を割った。万引きした。勉強を頑張らなかったし、大好きな友達に会わない為に学校をサボった。
悪い事したら、注意する為にこっちを向いてくれるから?
違う違う。
「きっと俺ってさ、悪いモノなんだ。」
「ぁあ?ンだそりゃあ」
「だって。」
叱られるのは嫌だった。わざとだろう、どうしてそんな悪い事をわざとやるんだ、お前はいい子の筈だろう。
そう言われるのはたまらなく哀しかった。わざとなのが事実なだけに。
「悲しかったり苦しかったりすると、喜ばれるんだ。」
おれが、
ぼくが。
おかあさんより、ふしあわせな方が。
「病気だったり、怪我だったり、イジメだったり、そーやって俺がスゲェ苦しい時だけ、あの人はとーっても幸せそうだった。」
そして優しかった。
だから、目の前で不幸になって見せた。
俺は自分の好きな物を本能的に知ってた。
誰だってそうだ。
だから、それらからこれみよがしに遠ざかって見せた。
そうして俺が胸を痛めるのを見て、あの人はとてもとても、優しくしてくれる。
「俺が幸せんなっちまうとさあ、あの人、顔歪めんだよね」
何かしら良い事があって、良かったねと頭を撫でられる度、
その顔が言葉とは逆の事を如実に物語っているのが痛いほどわかって、
目を合わせている事ができなかった。
あなたはいい子でしょう。私より幸せになったりなんかしないわね。
こんなに不幸な私をおいて、自分だけ幸せになったりなんか、しないわよね。
…うん。
良い子であるように、物凄く頑張った。
万一この人よりも幸福になどなってしまったら、一体自分はどうなってしまうのだろう。
見捨てられる恐怖に比べれば、自分で自分の幸せを破壊する事なんてなんでもない。
「あいつらと離れた時さあ、ほっとしたんだよね俺」
「へー。」
「ああ俺これで多分もう、暫くは自分から不幸になんなくても幸せになんないで済むわーって」
「ふーん。」
「ずっと幸せになんなかったらさァ…そのうち許して貰えっかな」
「無理だろ。」
うん。無理だと思う。
俺の存在そのものが悪いモノなら、この先どれだけ不幸になっても、あの人が本当の意味で満足してくれる事なんて、無い。
それでも、少しでもあの人の気が晴れるように。
万が一、間違えば許される事もあるかもしれないからその日の為に。
「あの人だかどの人だか知らねーけど、そいつの顔色伺ってる限り無理だろ。忘れちまえ」
「無理、オヤだもん」
「だから?子供愛せない親くらい居るだろ。放っとけンなもん」
「いや、愛せないってンな決め付けなくっても」
「不幸にヒタってりゃ愛してもらえると思ってんの?」
「や、そうじゃねーけど」
「どこらへんが”そうじゃねー”ワケ、今の話の」
「いやだから、俺が悪いモノだから」
「お前は悪くない。」
「…なわけないっしょ、だったらどうして、」
「お前は悪くない。でも、お前の親はお前の事を愛しちゃくれない」
「ナニ言ってんの」
「認めろ。お前の親は人間ができてなくて、子供のしあわせ一つ願ってやれねー馬鹿だ。お前がそれに付き合う事無い。」
「帥仙さん、何言ってんのかわかんない。」
「親がお前を愛さないのは、お前のせいじゃない。でも、その駄目親から愛されんのは諦めろ。」
「…別に、愛されたいとか思って無ぇけど…」
「ンじゃ不幸になってみせるとかいうとんでもねー茶番してまで媚売んのやめろ。醜い」
「醜いて…」
「不幸でいたいって態度がまず醜い。改めろ」
「なんでアンタそんなにエラソーかな …あ?」
「八つ当たりされてやったって、親が幸せになれるワケじゃねえよ。目ェ覚ませ」
目を覚ませ、とか言ったくせに寝かしつけるみたいな優しさでぎゅーっと抱き締めてくれたので、
酔っ払っていたついでにぎゅーっと甘え返して、
ああコレ怖いなあ、多分良く無い事だなあと思った。