オタクだの腐女子だのBLだのというモノをご存じない方、またそれらに不快感を覚える方は閲覧及び係わり合いになる事をご遠慮下さい。
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ねんねこさっしゃれま せ
寝た子ぉの、かァわ いさ
台所に立って作業をしながら、帥仙がとろとろとした歌を口ずさむ。
ベッドを背凭れにして只座っているだけのオレは、所在の無いせいで自然と帥仙の立てる音が気になる。
窓の枠に切り取られた景色はすっかり暗くなって、暖房のきいた部屋と外気に挟まれた窓が軋みそうなつめたい空を建物の間から覗かせている。
視線だけは帥仙から窓へと逸らして他の全神経を持って行かれながら、先程寒いからといって追い出された台所の方がこの部屋より大分暖かいと思った。気温の問題では無いのだ。
起きて 泣く子の、 面憎さ
暖簾を押して上機嫌で戻ってきた帥仙へ、睨まないように気をつけながら視線を移す。
子守歌かと思ったが。
あぁ。
それにしては酷いな
帥仙の披露するオレの知らない物や事は、不可解な事が多い。
お前、ガキ好きだもんなァ。
子供嫌いが子守歌を歌うのか。
そして大抵、解らない、という顔をするとわざとらしい溜め息を吐いて無駄知識を並べるのだ。
はらがたつ。
解らないだろうと思うなら、始めから説明付きで目の前に出してくれば良いものを。
子守を押し付けられた「姉ぇや」には
なんだ、これは。
勝手に始まる説明を遮って、向かいに座った相手へと目の前に置かれたセットを押しやる。
…寝つきが悪くてグズる子は、可愛く無ぇって話。
台所でなんの作業をしているかと思えば、帥仙の運んできたものは日本酒だった。
二つ並べたお猪口に熱燗を注いで、今さっき遠ざけてやった本人の目の前にその片方を平気で差し出す神経がよく分からない。
寝酒。
旨いぜと、呟いてもう片方を口へ運ぶ仕草もわざとらしい。
はらがたつと言うのだ。
目を細めた表情も、口角の上がった唇を舐める舌も、それに煽られて仕方のない自分にも。
ぐぃ、と一息に空にして盆へ返し、呆れた顔の帥仙を睨む。
険悪にならずに話がしたかったが、諦めた。この男は恐らく、オレを怒らせて楽しんでいるのだ。
可愛げの無いガキか、オレは。
よくできました。
暗号の解読に軽い拍手を添えて、二杯目が目の前へ運ばれる。
…逃げ回る程嫌か。
ことりと酒を置いて引いて行く手を捕まえ損ねて、代わりに置いていかれたそれに触れる。
手元へ落ちた視界に、部屋の明りが揺れる水面が映った。
や、別に。 忘れてた。…っつーか、
帥仙の誕生日を祝い損ねた。一日中「電波がつながらない場所に居る」アナウンスを聞かされて、センター試験の為に集中しているのかと思ったら一日潰して飲んでいたという。
試験開けまで待ったのだから説明くらいして貰おうと、家まで訪ねてみればこの扱いだ。
五月蠅い事を言わずにとっとと眠ってしまえと。
眉間に皺の寄るのを自覚しながら乱暴に二杯目をあけると、溜め息を吐かれた。
旨い酒なのに。味わって飲めよ。
高校生の吐く台詞だろうか。
おちょくられた気がして青筋のたった腕に、冷えた指先が触れた。
お詫びと思って高いのあけたんだぜ? お前、お猪口握り潰す気か。
いつの間にか隣りにきた帥仙は、からかう調子でもなく笑っている。息のかかるほどすぐ横に座り直して、下から覗き込んでくる。
つめたい手で手首をくるまれて力が抜けた。
悪かった、って。
容器から剥がれた手に帥仙の手の平が滑り込んで指が絡む。
もう少し真摯に謝って貰いたい気はしたが、口は開く前に塞がれて文句を言う気は削がれた。
どうせ寝かし付けられるならこうされたいと思う通りに扱われて、結局は嫌味の一つも言わないうちに宥められてしまった。
朝起きてぼんやりと思い出した歌詞は、寝た子は可愛らしい、とかなんとか。
歌っていた男は寝顔こそ小憎たらしいのだが。
++++
知ってました。
コメントしたら下げられちゃう気がして黙ってました。
すみません…
(↑私信。)
勝手に捧げ返してみようと思ったわけなんですが、勢い98%で書いたからどうにもまとまりがないなあ…う~ん。
あ。某支所さんの帥仙さんはこんなふーに謝んねぇよ!!とかいうツッコミは無しでお願いします、わかってます…_| ̄|○
寝た子ぉの、かァわ いさ
台所に立って作業をしながら、帥仙がとろとろとした歌を口ずさむ。
ベッドを背凭れにして只座っているだけのオレは、所在の無いせいで自然と帥仙の立てる音が気になる。
窓の枠に切り取られた景色はすっかり暗くなって、暖房のきいた部屋と外気に挟まれた窓が軋みそうなつめたい空を建物の間から覗かせている。
視線だけは帥仙から窓へと逸らして他の全神経を持って行かれながら、先程寒いからといって追い出された台所の方がこの部屋より大分暖かいと思った。気温の問題では無いのだ。
起きて 泣く子の、 面憎さ
暖簾を押して上機嫌で戻ってきた帥仙へ、睨まないように気をつけながら視線を移す。
子守歌かと思ったが。
あぁ。
それにしては酷いな
帥仙の披露するオレの知らない物や事は、不可解な事が多い。
お前、ガキ好きだもんなァ。
子供嫌いが子守歌を歌うのか。
そして大抵、解らない、という顔をするとわざとらしい溜め息を吐いて無駄知識を並べるのだ。
はらがたつ。
解らないだろうと思うなら、始めから説明付きで目の前に出してくれば良いものを。
子守を押し付けられた「姉ぇや」には
なんだ、これは。
勝手に始まる説明を遮って、向かいに座った相手へと目の前に置かれたセットを押しやる。
…寝つきが悪くてグズる子は、可愛く無ぇって話。
台所でなんの作業をしているかと思えば、帥仙の運んできたものは日本酒だった。
二つ並べたお猪口に熱燗を注いで、今さっき遠ざけてやった本人の目の前にその片方を平気で差し出す神経がよく分からない。
寝酒。
旨いぜと、呟いてもう片方を口へ運ぶ仕草もわざとらしい。
はらがたつと言うのだ。
目を細めた表情も、口角の上がった唇を舐める舌も、それに煽られて仕方のない自分にも。
ぐぃ、と一息に空にして盆へ返し、呆れた顔の帥仙を睨む。
険悪にならずに話がしたかったが、諦めた。この男は恐らく、オレを怒らせて楽しんでいるのだ。
可愛げの無いガキか、オレは。
よくできました。
暗号の解読に軽い拍手を添えて、二杯目が目の前へ運ばれる。
…逃げ回る程嫌か。
ことりと酒を置いて引いて行く手を捕まえ損ねて、代わりに置いていかれたそれに触れる。
手元へ落ちた視界に、部屋の明りが揺れる水面が映った。
や、別に。 忘れてた。…っつーか、
帥仙の誕生日を祝い損ねた。一日中「電波がつながらない場所に居る」アナウンスを聞かされて、センター試験の為に集中しているのかと思ったら一日潰して飲んでいたという。
試験開けまで待ったのだから説明くらいして貰おうと、家まで訪ねてみればこの扱いだ。
五月蠅い事を言わずにとっとと眠ってしまえと。
眉間に皺の寄るのを自覚しながら乱暴に二杯目をあけると、溜め息を吐かれた。
旨い酒なのに。味わって飲めよ。
高校生の吐く台詞だろうか。
おちょくられた気がして青筋のたった腕に、冷えた指先が触れた。
お詫びと思って高いのあけたんだぜ? お前、お猪口握り潰す気か。
いつの間にか隣りにきた帥仙は、からかう調子でもなく笑っている。息のかかるほどすぐ横に座り直して、下から覗き込んでくる。
つめたい手で手首をくるまれて力が抜けた。
悪かった、って。
容器から剥がれた手に帥仙の手の平が滑り込んで指が絡む。
もう少し真摯に謝って貰いたい気はしたが、口は開く前に塞がれて文句を言う気は削がれた。
どうせ寝かし付けられるならこうされたいと思う通りに扱われて、結局は嫌味の一つも言わないうちに宥められてしまった。
朝起きてぼんやりと思い出した歌詞は、寝た子は可愛らしい、とかなんとか。
歌っていた男は寝顔こそ小憎たらしいのだが。
++++
知ってました。
コメントしたら下げられちゃう気がして黙ってました。
すみません…
(↑私信。)
勝手に捧げ返してみようと思ったわけなんですが、勢い98%で書いたからどうにもまとまりがないなあ…う~ん。
あ。某支所さんの帥仙さんはこんなふーに謝んねぇよ!!とかいうツッコミは無しでお願いします、わかってます…_| ̄|○
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