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「くずきり。」

帥仙は、ずっとつっかえていたものが取れたみたいな、それでいて何処か虚ろな、不思議な顔をした。

「初めてお前に会った時から、ずっと知ってる気がしてた。」

涙ぐんだ瞳をして、かぶりを振る。まるで、気のせいだと思い込もうとするかの様だ。
その感覚はおれにもあった。そう伝えようと手を触れれば、肩がひくりと震えて声が掠れる。

「近付くだけで動悸がして。手を伸ばされればからだが震えて。」

逃げられるかと思った体は、諦めたようにその場に留まって、ぺたりと。
顔へ伸ばされる。その手に頬を寄せて言葉の続きを待てば、長い長い溜め息を吐いて後、

「他のやつらと話してるのを見れば胸が靄ついたし、お前に何か、…何かしなきゃいけない気がずっとしてて」

僅か嬉しげな色を覗かせて、帥仙はわらった。
輪郭を辿る指が首筋を撫で、ゾクと走る感覚に細めた視界の中で一歩分、距離が埋まる。

「ずっと、ずっと不思議だった。 でも解ったんだ、」

嗚呼、俺もだ。
俺もお前をずっと探していた。知って欲しくなかった。



「――…復讐だよ。」

俺が、お前を殺したんだ。


+++
いやー、なんか突然そういうネタ書きたくなって。半分くらいで収めた方がキリがいーっすね。すんません。
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