忍者ブログ
オタクだの腐女子だのBLだのというモノをご存じない方、またそれらに不快感を覚える方は閲覧及び係わり合いになる事をご遠慮下さい。
[154]  [153]  [152]  [151]  [150]  [149]  [148]  [147]  [146]  [145]  [144
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

帥仙分が不足しているみたいなので(いや、俺にも足りてません、ちょっと。)
唐突にお題サイトさんへ足を運んでみました。

思ったよりものすごく、ベッタベタに甘くかつ落ちも意味も無い、山どころかストーリーも無いものになりました。
胸焼け気味に甘ったるい屑帥が平気な方だけお読み下さい。
個人的に実に9950的だと思う。

100題みたいな感覚の豆文を10コ、一気に全部載せると長かったので半分ずつ、です。

いただいたお題サイト様はこちら↓
「VOID」 http://theme.milt.nobody.jp/index.html

1. 傘

水滴がグラウンドの色を変え、熱く焼けた空気に湿気が滲んでいく。
さらさらと水の落ちる音を聞きながら、隣で主将が仏頂面になっていく気配を感じて帥仙は口の端を吊り上げた。
「涼しくなっていーじゃん。」
「何も言ってない。」
大きく2、3歩も踏み出せば、陽に炙られた肌に霧のような細かい雫があたってさぞ気持ちがいいだろう。
思った通りにしたらきっと横の男はもっと嫌な顔をするのだが。
「傘とってきてやろーか。」
「要らん」
虹でも見えそうな空の青を見上げて、しばしの足止めに付き合ってやる。
雨嫌いの理由を思えばからかってやるのは可哀想だと思えなくも無いのだが、屑桐を置いて走る気にはなれなかった。

数十秒も無い散水時間。
急ぎ足で突っ切ってしまえば濡れたと思う間も無いだろう部室への直線を、それでも躊躇う様がおかしくて。


2. 缶

「間 接 キス。」
な、と極短い声を上げて固まった屑桐の手から、一口分減った清涼飲料水の缶を抜き取って、飲み口を拭わずに自分の喉へ流し込む。
「今更今更。」
空になったそれを自慢のコントロールでカゴへ放り込んで、昼休み終了間近の教室へ戻るべく立ち上がって伸びをした。
屑桐はまだ金魚の真似をしている。
「お前さァ、部室で回し飲みなんざいくらでもやってんだろ?」
「ならわざわざそういう事を口に出すな!」
妙なところで真面目なというか、下手な不意打ちに弱いというか。
ぶつくさ言いながら渋々といった体で立ち上がった目を覗き込んで、気を張っても緩んでしまう口元を誤魔化すのに溜息を一つ。
「っとに、デカい図体してかーぁわいいねえ。」
振ってきた拳からは当たり前に逃げた。本心だというのだから自分が始末に終えない。


3. フライパン

「パンはパンでも食べられないパンは」
「フラィ」
ごん。
いい音を立てて沈んだパイン頭の代わりに小さい手が人数分上がって、屑桐家の居間は回答権を争うハイでにわかに五月蝿くなった。
長兄がヒントを出してしまったから今の問題はナシだと言うと、今度はブーイングでまた賑やかになる。
ゆるゆると戻ってきたパインにジト目をやってやれやれと肩を竦めると、片手一本で弟妹を黙らせた男は自分のせいではないといわんばかりに睨み返してきた。
「お前が答えてどーすんだよ、子供の遊びに付き合え阿呆」
「…付き合うというのは回答する事じゃないのか」
「むしろ出題しろ」
手の平を無理矢理拾い上げてタッチ、のポーズで打ち付けると、8つの目は期待の色を含んで、買い物帰りの長男をきらきらと映した。
「…ケーキはケーキでも」
「食べると安心する奴なら俺が焼いてやるから、お前あと10問出題な。」
ベッタベタに覗いていたホットケーキミックスごと今時なマイバックを拾い上げて、居間を出て台所へ向かう。子供の相手よりはフライパンと遊んでいた方が自分には楽だ。
兄弟達にじゃれつかれるあの男を見ているのが腹立たしいとか、そんな事ではなく。



4. ペン

絡んだ指先を不意に撫でられて声が上擦った。
まだ荒い息の間に中指の第二間接辺りへ唇が押し当てられて、重い体を反転させて屑桐へ向かい合う。
「ペンだこか、これは」
「…ああ」
髪を下ろした屑桐の表情は、暗い部屋では判り難い。掠れた声で適当な相槌を打って、眠気に襲われるままに目を閉じる。
唇が腕へ、肩へと移動してきて顔に息が掛かるのを、体温の塊が圧し掛かってきて抱きしめられるのを、抵抗するでもなく受けて少し笑う。
「受験が済んだら、また野球をやるんだろう?」
「…おれが 一生野球やってりゃ、お前の事忘れないとか思ってンの?」
腕を回して囁いてやると、落ちてきた黒髪が瞼を擽って頬に柔らかいものが触れた。
「辞めたところで、忘れられてやるつもりも無いが。」
今、回している腕を片方伸ばせば、ペンにも辞書にも手が届く。掴まえてこいつに振り下ろすか突き立てるかしてやってもいいと思ったが、
それに相応しい暴言を吐く前に口を塞がれてしまったので、今日のところは諦めてやる事にしておこう。



5. 銃

「レプリカ。」
「当たり前だ。」
即答で言い切った割りに、額に銃口を突きつけられた男の顔は青かった。
「咄嗟にホールドアップとかしねぇの?可愛くねーな」
「偽物なんだろう」
いやにゆっくりと銃身を退けて、銃殺一歩手前の状態から開放されると肩を落とす。
そんなに緊張したのなら本物だとでも言ってやればよかった。
「頭と心臓ってサ、打ち抜かれたらどっちのが痛ェかな」
「知らん、そんな事は」

「やっぱ心臓かな。」
心臓狙っとけば良かったかな。
ずっと、お返しに銃でも突きつけてやりたいと思っていたんだ。
こいつが不意に笑った時に、やられた、と思ったあの日からずっと。



+++
5だけいまいち気に入らない。
サイトに移動する前に直せたら直そうと思います。

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
[04/07 A]
[11/02 管理人cab]
[11/02 A]
[03/12 A]
[02/24 cab@ブログ主]
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.